エタノール

ガソリンの代わりはエタノールなんだそうで、

地球上の原油埋蔵量の62%はサウジアラビアイラク、イランなど中東産油国にあり、天然ガスの埋蔵量の56%はロシア、イラン、カタールの3カ国で占められる。・・・・・今や一般的な用語になった「地政学的リスク」である。
・・・・・世界のどの地域でも生産可能で、自動車用として利用できる燃料を世界は求めており、エタノールこそ、その条件に適っているのだ。

なるほど、どこでも手に入る可能性があることが条件なのはうなずける。

・・・・・エタノールの原料の植物は、大気中の二酸化炭素を固定化することで成長する。植物から作った燃料を燃やして二酸化炭素が発生しても、もともと大気中にあったものが戻るだけで、大気中の二酸化炭素の量は増えない。中立なのだ。したがって京都議定書でもエタノール利用では二酸化炭素排出はゼロとカウントすることが認められている。

化石燃料を燃やさなければ、ゼロという理解でよいのか? 厳密に言えば生産工程で化石燃料由来のエネルギーは使っているような気がするが、まあ微々たるものということだろう。

ブラジルと沖縄。今、日本にとってエタノール導入に向けた最前線は、遠く離れたこの二つの場所だ。
ブラジルは世界最大のサトウキビ生産国であり、同時に世界最大のエタノール生産国でもある。・・・・・1トンのサトウキビから約80リットル強のエタノールが生み出される。ブラジルは年間1600万キロリットル前後のエタノールを生産している。ブラジルの自動車用燃料の約30%がエタノールで賄われている。
ブラジルのエタノール生産はすでに商業的に確立されている。
・・・・・
重要なのは、エタノール生産にむいたサトウキビの品種改良、エタノールの効率的な生産技術を日本の得意なバイオ、発酵技術で高め、世界のモデルになるようなノウハウを沖縄発で確立することだ。


参考:フォーサイト2006年8月号 40ページ

1トンのサトウキビを作るためにどのくらいの耕地が必要なのかはわからないが、日本が自国需要を賄うだけの生産を行うことはできるはずがないので、技術提供によって供給の安定確保を行うことが重要ということだ。
ここでちょっと気になったのが、ブラジルの森林破壊とサトウキビの大規模栽培には、何らかの関連性はないのだろうかということ。結局はどれがまだマシなのかという議論なのかも知れない。