平和ボケということか

現在の日本は歴史的に見ても国際比較から言っても、あまりに平和で豊かである。
先進国でも戦後半世紀の間、他国との戦争や紛争によって、一人も死者が出ていない国は日本だけである。
しっかりした国家に守られているからこそ、その中で個人の自由な生活や言動が可能なのだ。しかしこの実感があまりの平和さから忘れられてしまい、国家が個人に課する制限や束縛だけがクローズアップされるようになっているのが、今の日本の姿だという。
私が考えるに、特に教育分野でこの傾向は顕著だ。例えば、

  • 日本のパスポートを持っていることが海外にいる時にどれほどのメリットをもたらしているのか
  • 他国との比較で、日本がどれほど安全な国か(最近は怪しいけれど)

など、国家が個人にどれだけの恩恵をもたらしているのかを、しっかり教育すべきだろう。


参考:文芸春秋2006年8月臨時増刊号 私が愛する日本 164ページ