公共事業ってなんだ〜土建本位制経済の日本
日本という国のシステムがおかしいことの一例だろう。
- 公共土木事業費20兆円(2004年度:国土交通省資料より推計)の8割は中小建設業が受注している
- ホームレスの直前の職業の55%が建設労働者(2003年度:厚生労働省調べ)
- 島根県民に対して支払われた地方交付税や国庫支出金は県民が払った国税の2.9倍(2003年度:国税庁・内閣府・国土交通省)
- 改革派と呼ばれる知事達でも、道路公団民営化議論での高速道路の建設中止には反対した。
- 地方自治体議員の3分の1以上は建設業関連出身
この事実からわかることは、
- 公共事業で潤っているのは大手ゼネコンなどではなく、(おそらく競争力を持たない)地場の中小建設業である。
- 公共事業が減少すれば、地方の経済にはかなりのインパクトがあり、失業率もかなり増える。
なぜこうなってしまったのかといえば、公共事業の発注にはおかしなルールがあるからだ。
- 事業規模ごとに発注する業者の規模が定められている。このため大手が受注できないように、発注単位を最初から細かく分割してしまうという。これでは一括発注がコスト削減につながるという常識を無視しており、税金のむだ遣いだ。
- 地方発注の大型事業(分割が技術的に難しいということ)では、地元企業とのJV(共同企業体)による入札が義務づけられている。ちなみに、法的根拠は何もないらしい。
このルールが談合の温床になっているわけだ。
また、このように過度に建設需要に依存してきたことがそれ以外の産業の衰退を招き、地方経済が低迷を続ける原因になっている。
参考:フォーサイト2006年7月号 24ページ