人間ものがたりー石器時代から現代までのわたしたちの歴史

人間ものがたり―石器時代から現代までのわたしたちの歴史

人間ものがたり―石器時代から現代までのわたしたちの歴史

タイトルの通り、歴史をできごとに焦点を当てるのではなく、その時その時を生きた人間に焦点を当てて語っている。普通の人々がどのようにその時代を生きてきたのかを知ることで、感情移入しやすく歴史を身近に感じることができる。また、日本人が書いた本ではないので、欧米から見て日本がどのようなウェイトで人間の歴史に関与していると認識されているかも知ることができる。具体的には以下のような感じ。

  • 江戸時代末期の開国にかかわる騒動より前の日本は出てこない。
  • 日露戦争に勝ったことはそれなりに詳しい記述がある。
  • 第2次世界大戦の敗戦までに帝国主義の覇権争いの一角にいたことは書かれている。
  • 戦後の日本の復興は、奇跡として描かれている。

また、私の印象に残ったのは以下の通り。

  • ヨーロッパにおいて中世の庶民の生活がいかに悲惨であったか
  • 伝染病(ペストなど)がどんなに猛威を振るったのか
  • ヨーロッパの中南米征服がいかに横暴なものだったか

知識として知っていても、人間の行為として改めて描かれると強く印象に残るものだ。